車両名
VESPA SPRINT
事故によって左側面部分に大きなダメージを負ってしまったベスパスプリントV数年前に
オーナー自身でレストアされておりコンディションは良かっただけに惜しい事をしました。
レストアして行く分には好都合ですが・・・
まずはボディーのバラシから
今回はエンジンと足周りには手をつけずボディーの板金塗装と外装部品の交換といった
軽めのメニューとなりました。
バラしたパーツは洗浄して油脂類を落とします
天気の良い日を選んで一気に剥離していきます。剥離材を塗って数分後、旧塗膜がブクブクと浮き上がってきた所をスクレイパーや金たわし等でこそぎ落としていきます。
残った塗装と錆びをグラインダー+ワイヤーカップで削り落とした状態です。それでも取り
きれない錆びや手の入りきらない部分はこの後サンドブラストに徹底的に落としてやります。
今回の車両は前回レストアされた折にきっちり剥離&下処理がされていた為、
非常に状態が良く作業も捗りました。
今回チョイスした色はイエローオーカー
ランブレッタDL(GP)200の純正カラーです。
やはり70’Sの車両にはこういったビビットなカラーリングが良く似合います。
ボディーの組み立て最初の行程で一番気を使う部分です。まずはフロアレールの
取り付けからこの部分がバッチリ決まれば完成後に全体がキリッと引き締まります。
もちろん見えなくなるフロアの裏側まできっちり組みつけていきましょう。
回、足回りのリビルドはメニューには無かったのですがバラシの際ステムベアリングの損傷がっひどかった為アッパー・ロアーベアリング共に交換しました。(写真右)
たっぷりとグリスを塗って組みつけていきます。
左が交換前、ボール5つ分ほどリテーナーが千切れています。さらに上下も逆さまでした。
アッパーベアリング部です
ハーネスは新規に作成しなおし各種ワイヤーもすべて新品に総入れ替えです
この年代の車両はリプロパーツも豊富でレストアしていく上で大きなアドバンテージとなります。
エンブレム類も新品パーツに交換
ハンドル内部もスッキリ綺麗になりました
もちろん可動部分には必要な分だけグリスアップして組み付けます
ベスパの運転の肝であるハンドチェンジ部分だけに仮組みとグリスアップを数度繰り返し動きに違和感が無いか確認しながらの組み立てとなります。
ボディー編の下準備完了といった所でしょうか
塗装済みパーツの保管にはずい分と気を使わされます。保管スペースの少ないバーンナップスでは壁面吊り下げでスペースを確保。後方の壁面に組み付け待ちのパーツが見えます。
ボディーの組み付けで一番苦労するのが
ステアリングステムにハンドルを組み込んでいく作業です。
ハンドルの細い左右の通路に右側はワイヤーハーネス・スロットルワイヤー左側はクラッチワイヤー・シフトワイヤーが2本と複数のワイヤー類を一度に捌きながらの作業と成ります
一人で行うには相当アクロバティックな技術が必要です
後はサクサクッと周辺パーツを組み付けてひとまず完成です。
厳寒の寒空の下、試乗を重ねてオーナーの手に
細かな部品やアクセサリー類はオーナーの手によって組みつけられ晴れて完成となりました。
ボディーを含む各部パーツのリフレッシュにより新たな仕様に蘇ったスプリントV
これからオーナーとともに又新たな歴史を刻んでいく事でしょう。
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